高圧電力の計量メーターの読み方

 比較的大規模な電力を消費する顧客に選ばれることの多い高圧電力ですが、専用の電力メーターがあります。
 高圧電力の計算における基本的な読み方や活用法です。。


高圧タイプの計量は近年だとデジタルタイプのものを使用しています。数値の読み方は、検針と表示の出ている画面の各時間帯における電力量を見るだけなので非常に楽です。各時間帯の消費電力とリアルタイムで消費している電力量を計量し、検針値の合計が数秒単位でどんどん切り替わって表示されるため、電力の使用状況や数値を把握するのが容易になっています。高圧電力の計量機器に求められるのは複数の時間帯における消費電力でも効率的に目視できること、つまり使いやすさです。消費電力量が大きい高圧電力では計量に少しの誤差も許されないことを検針側も認識しています。
 
高圧電力のメーターの見方は、機器によって異なります。電力メーターの多くは4桁や5桁までしか表示できません。このままでは、5桁を超える数値がメーターからはみ出してしまいます。そこで乗率を使用し、表示する数値を小さくしているのです。たとえば乗率が10ならば、メーターには10分の1の数値が表示されるのです。  
表示項目 
 ・使用電力量の表示 
 ・有効電力量(有効な電力量) 
 ・無効電力量(無効な電力量) 
 ・最大需要電力(前回計測日から現時点までの電力) 
 ・需要電力(30分ごとの需要電力) 
 ・需要電力の経過時間(0~29分の繰り返し) 
 ・計測器の乗率 
   
   有効電力と無効電力
  交流の電気を使用するときは、入ってくる電力は100%仕事をせずに、電気の一部はそのまま元の電線に戻ってしまいます。実際に仕事をする電力のことを有効電力、仕事をしない電力のことを無効電力と言います。使われていない電力があるために、それを分けて表示して電気料金の計算に入れないようにしているのです。  
   
   
  高圧電力はどのユーザーでも同じ計量機器を使用するものではありません。同じ電力会社であってもエリアが異なれば違うタイプのメーターを使うこともあり、契約内容が異なってもメーカーが計量機器を使い分けることも大いにあることです。時間帯によって電気料金が変わるタイプのプランをを契約していれば、時間帯ごとに表示を切り替えるメーターが利用されます。昼間・夜間・重負荷時間など、1日における消費電力を分けて管理しています。毎月の電力量を知るだけなら検針値だけに注目すれば良いかもしれませんが、時間帯別の電気料金プランの場合は電力コストに大きな影響をもたらすため、時間帯ごとの値を知ることもコスト管理において重要なことです。  
   
  時間帯別プラン用メーター タイプ1
 
  このメーターは「1日を昼間時間と夜間時間に分けて表示する」「1年を夏季とその他季に分けて表示する」その中でさらに「休日と平日の電気使用量を区別して表示する」電力メーターです。つまり、「昼間より夜間の電気使用量が多い業務」や、「平日のみ営業する業務」、「土日祝日ににも営業する業務」に適した電気料金プランの計量に対応できるメーターということです。これ以外の表示項目は、標準的な高圧電力のメーターと同じです。  
   
  時間帯別プラン用メーター タイプ2
 
  電力量の表示を1箇所に集約し、昼間時間や夜間時間、休日とその他季の使用電力量を数秒ごとに転換して表示するタイプの電力メーターです。中央の数値は使用電力量を示しますが、どの時間帯におけるものかを判別するには表示時間帯の項目を参照する必要があります。表示時間帯1で昼間時間(平日その他季)、時間帯2で夜間時間…といった具合に、表示時間帯とそれぞれの使用電力量を5秒ごとに切り替えて表示しています。  
   
   
  高圧電力の電力消費は一般の低圧電力と比べても桁違いにコストが大きくなります。1日の中でどの時間帯にどれだけの電力を使っているかを把握すれば無駄な電力が発生しているタイミングを察知できますので、業務改善に役立ちます。また、高圧電力の消費についてメーターに現在値を表示できる機能が付いていますので、その統計を同じ時間帯の現在値を別の日に見てみることで消費の速度なども大きく把握することができます。特に昼間と夜間、夏季とその他シーズンでは電気の使用状況が大きく異なるケースが多いものですから、データを比較して電力の使用状況を見極める意義は非常に大きいのです。電力は毎月の結果だけを知れば十分と思いがちですが、電力コストをコントロールするにはこういった視点も重要です。