新電力

 大手電力会社(一般電気事業者)とは別に新規に参入し、電気の小売りを行う事業者のこと。
 正式名称は「特定規模電気事業者」、略称「PPS」。

新電力という名称は、地域電力会社と区別するするためにつけられた名称で、正式には、特定規模電気事業者(PPS)と呼ばれます。
部分自由化の範囲が広がるのにつれて参入してきたのが、この新電力という電気事業者です。新電力の参入数は、このところ急増しています。部分自由化の実施当初は、20社(経産省への届け出数)にも満たなかったのですが、2011年の東日本大震災後の電力需給ひっ迫により、一気に増大し、2013年には100社を突破、2015年4月末現在で何と650社あまりに達しています。とくにここ1、2年の目覚しい増大ぶりは家庭やコンビニ、小規模事業所などの低圧部門すなわち小口電力需要家ずべてが2016年の自由化の対象になったためです。いわば小売電力自由化が総仕上げの段階に入ったわけで、小売電力の「全面自由化」と呼ばれる理由なのです。こうした小売電力の全面自由化で開放される国内の電力ビジネス市場の規模は、7兆5000億円の規模に膨れ上がるといわれており、そうした巨大電力市場をねらって新電力の参入が急増しているのです。
 
     
    「発電設備を持たない」新電力会社の存在  
    鉄鋼、化学、石油など、自社の工場で使うための発電設備を保有しているところや、再生可能エネルギー発電事業者などもありますが、電機メーカー、住宅、商社、情報、通信会社など、電源を持たないさまざまな業種の企業の参入が見られます。発電設備を持たない新電力が安い電気を提供する方法としては、いくつか考えられています。ひとつは、工場などの余剰電力を調達する方法です。新電力の中には自家発電設備の有効活用として、自社以外の需要家にも電気を販売しているところもありますがそれと同様に、発電設備を持っている事業者から、価格の安い余剰電力を購入する方法があります。  
       
  低圧電力と高圧電力の価格差を利用した価格の引き下げ  
    最近、新電力の契約形態として増えているのは、一括受電方式です。特にマンションなどに多く見られる方式です。従来は、マンションにおいても地域電力会社が居者各世帯と個別に契約して電気を供給するやり方でしたが、一括受電では、マンション自体を一個の大きな需要家として捉えます。新電力が入居者と電力会社の間に入り、地域電力会社から高圧電力を購入し、それを入居者に「切り売り」するのです高圧電力は大口需要家向けの電力であり、低圧電力に比べるとほぼ3分の1程度の安さです。もちろん高圧受電から、低圧電力への変電設備を準備しなければなりませんが、そのコストを考慮しても、一括受電による入居者への安い電力供給で採算がとれるというわけです。  
       
  新電力は低コスト体質で、基本料金を引き下げられる  
    新電力が価格の安い電力を供給できる方法として、基本料金を大幅に引き下げられるという点があります。通常、電気料金の体系は基本料金、従量料金、燃料費調整の3つから構成されています。このうち、燃料費調整や従量料金は、発電に伴うコストであり、地域電力会社と大きな違いがありません。差異が出てくるのは、基本料金です。基本料金は、設備コストや人件費に伴うもので、広い地域に多くの顧客・発電設備を抱えている地域電力会社はそれに見合う料金設定をせざるを得ません。
それに対して新電力の場合、会社の規模と人件費のバランスが取りやすく、また設備コストはゼロかあるいは非常に小さいものとなります。そのため、基本料金の部分で、安い料金設定により、地域電力会社と十分太刀打ちできるようになります。
 
       
 
  イーレックス㈱   新日鉄住金エンジニアリング㈱   日本アルファ電力㈱
  出光グリーンパワー㈱   鈴与商事㈱   パナソニック㈱
  伊藤忠エネクス㈱   全農エネルギー㈱   北陸電力㈱
  ㈱エナリス・パワー・マーケティング   ダイヤモンドパワー㈱   北海道電力㈱
  ㈱エネット   大和ハウス工業㈱   丸紅新電力㈱
  沖縄電力㈱   ㈱地球クラブ   ミツウロコグリーンエネルギー㈱
  オリックス㈱   中央電力エナジー㈱   ㈱F-Power
  ㈱関東エネルギーショリューション   中国電力㈱   HTBエナジー㈱
  九州電力㈱   中部電力㈱   JXTGエネルギー㈱
  ㈱グローバルエンジニアリング   ㈱東急パワーサプライ   KDDI㈱
  ㈱サイサン   東京ガス㈱   ㈱Looop
  サミットエナジー㈱   東北電力㈱   SBパワー㈱
  四国電力㈱   ㈱トヨタタービンアンドシステム   シナネン㈱
  日本デクノ㈱   昭和シェル石油㈱